フュージング作品(H12.8)
フュージングとは ◎フュージングとは膨張率の合うガラスを窯の中の棚板の上に置き、窯の温度 をゆっくりと816℃(華氏1500°)まで上げます。その後徐冷の温度範囲内 をゆっくり冷却します。ガラスを変形させたり、色ガラスを重ねて別の色を作っ たりすることができます。簡単そうですが膨張率の合ったガラスでないと歪が 生じ破損してしまいます。 上の作品はクリアガラスと三種類の色ガラスをフュージングして作成したパネルです。 |
フュージング過程 ◎初期加熱(Initial Heat) 初期加熱とは、ガラスを室温からストレイン・ポイントの温度の少し上まで 上げていく段階の過程を示します。色ガラスの場合は、ストレイン・ポイント は400℃(華氏750°)から480℃(華氏900°)までの間です。 ストレイン・ポイントを超えるとガラスは物理的に液体の性質になるので、 過激に熱を加えることにより割れることはありません。 ◎急速加熱(Rapid Heat) 急速加熱とは、ガラスをストレイン・ポイント温度から各ガラス層が望まれる 状態にフュージングされる温度に上げるまでの過程です。この段階の加熱 過程は初期加熱の段階に比べて最も速い速度で経過しなくてはなりませ ん。窯は538℃(華氏1000°)〜871℃(華氏1600°)との間を急速 加熱できるものが必要となります。 ◎急速冷却(Rapid Cool) ガラスを急速加熱の過程で最終的に達した温度から、最適徐冷温度まで下 げることを急速徐冷といいます。失透を避けるために、この段階は窯が許す 限りなるべく早く通過しなければなりません。これは窯の蓋を5分〜10分間 位大きく開けて換気する事により行なわれます。 ◎アニールソーク時間(Annealing Soak Time) アニールソーク、又は第4ゾーンの温度と言いますが、これは一定の厚さの ガラスに対して窯を一定温度(最適徐冷温度)で一定時間保つ過程をいい ます。アニールソークの間に二つの重要な事が起こります。まずガラスの 温度と棚板の温度が均一化します。不均等な加熱や物理的な作業(スラン ピングやコーミング)によって生じた歪が取り除かれます。 ◎アニールクール(Anneal Cool) このゾーンは、上はアニールソーク温度から下はストレイン・ポイント温度 までの範囲を示します。この段階の最中に(そして、この段階に限って) 作品の中の永久的な歪が生ずるのを防ぐ過程が与えられます。この時点 でガラスはゆっくりと固くなってきますが、固形という程までには固くなって いません。この段階での冷却時間のかけ方が、できあがった作品の中の 永久的な歪の度合いに直接影響を及ぼします。 ◎室温まで冷却する(Cool to Room Temperature) 室温まで温度を下げるプロセスは、ガラスが割れない程度に時間をとれば 十分です。普通窯は覗き穴か蓋を少し開けて早めに冷めるようにし、一晩 放置して自然に冷まします。 ※ストレイン・ポイント ガラスの中の歪を減少させられる温度。 ※スラッピング 熱せられている時にガラスが自重によって下に沈み込むこと。 ※コーミング 棚板の上に様々な色のガラスを並行に密着させて並べる。そして完全フュージングされる 温度以上に加熱し、表面を金属性の道具によって動かし模様をつける。 ※参考文献 グラスフュージング Book One(発行者:十條商事梶j |
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